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2018年1月20日 (土)

顔面神経麻痺(5)のリハビリ方法

神経の炎症が治まったら、リハビリの開始です。前にも書きましたが、直ぐ回復する程度の軽傷でしたら、リハビリは特に必要ありません。しかし、重症でリハビリを怠ると大変な事になります。リハビリを怠ると、後遺症が残ります。口が歪む。頬の形が変わる。目付きが変わる。それも、顔の左右がアンバランスに歪む。症状が落ち着いてからだと、修復の方法が有りません。美容整形で形を変えるだけ。それでも、顔の筋肉が動いてくれないので、表情の異常さは残ってしまいます。
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 写真は政治家の麻生太郎氏です。麻生氏のこの写真は、顔面神経麻痺が原因という事実は無い様ですが。この写真の様な形で顔面が固定してしまうというのが、後遺症の怖い所です。(麻生さん、すみません、関係が無いことに引っ張り出して・・・でも、他の方々も後遺症という話題で引用されていますので、私も使わせて頂きました。)
 だから、ある程度以上の症状がある方は、必ずリハビリを行う事が重要です。リハビリが始まっても、温かく保つことと、マッサージは変わりません。というか、マッサージは、一つのシッカリとしたリハビリです。この二つは、もう問題が無くなったと確信するまでは続けてください
 私が東海大学病院で受けたリハビリは、簡単に言うと電気治療です。低周波の微弱電流を顔筋肉に流して、筋肉を自らの力で動かす訓練です。マッサージと違って、自らの動きなので、効果が全然違います。しかし、電流を流すことなので、大変気を付ける必要があります。
 顔の中で、特に目と耳は、繊細な神経が走っています。筋肉の刺激は必要ですが、神経に電流を流すと、今度は神経がやられてしまいます。東海大学病院では、何となく簡単な説明のみで始まりましたが、この点は特に気を付ける必要があります。
 具体的には、目の周り1〜2cm程度の範囲、それから耳と耳の下の部分から同様に1〜2cm程度の範囲には、電気を流さない様にする必要があります。その結果、主にとその周り。それから、顎に沿った辺り、およびの辺りが治療の対象です。
 電気治療の器具は、顔に当てる電極とその反対側の電極。それに電気を流す電源からなっています。電流の強さも変えることができます。反対側の電極は、包んだガーゼを水で湿らせて、背中に付けて、バンドで止めます。顔に当てる電極も濡れたガーゼで包んでいます。電気を流し易くするのです。スイッチを入れて、電流は弱めから始めます。患部に電極を押し付けるとピリピリします。そのピリピリの強さを見ながら丁度良い電流に調整します。
 この丁度良いは、結構分かり易い。動いていない筋肉は、なんとなく疲労状態となっています。その筋肉が電流の刺激で動きます。すると、なんとなく筋肉が気持ちよく動く強さがあるのです。この気持ちの良さは、もう一つの目安を与えてくれます。麻痺が進んでいる筋肉は、余計に疲労がたまっている様な感じなので、気持ちの良さが有ります。逆に、麻痺が進んでいない筋肉には、余計な刺激となって気持ちも良くないのです。
 そうやって、頬、唇、顎、額に満遍なく刺激を与えます。1ヶ所に10〜20秒程度、少しずらしながら全体を電気マッサージといった感じです。1回のリハビリで1時間は掛けていたでしょうか。随分前にことなので、よくは覚えていません。
 私の場合は、当時も普通のサラリーマン。病院がやっている平日にリハビリを受けることは無理。だから、土曜日にしか受けることができません。そうこうしている間に、同じ治療ができる電気治療器に遭遇したのです。私は、この治療器のお蔭で、こんな顔になりました。ショップで紹介している少し古い写真です。
 次回、その電気治療器を紹介させて頂きます。

麻生さんの写真について一言
 麻生さんの普段のお顔を拝見する限り、少なくても顔面神経麻痺の後遺症ではありません。酷い後遺症だと、麻生さんの様な綺麗な歪みになりません。筋肉が、意識しない方向にひきつってから固定する。それが後遺症が酷い場合の見掛けとなります。麻生さんは、表情豊かな方だというだけの話なのです。風評には気を付けましょう。

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