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2016年11月

2016年11月 2日 (水)

高齢者は植物油よりもラードを摂取した方が健康にいい?!?

 随分前にトランス脂肪酸は体に悪いと報告しました。6年位前にセブン&アイがトランス脂肪酸含む商品は置かないと宣言した時でした。それに絡んだちょっと気になるニュース記事がありました。『高齢者は植物油よりもラードを摂取した方が健康にいい』という記事です。
 記事では、植物油よりもラードが体に良いと説明しています。その理由には触れているのですが、書き方で誤解を生んでいると思います。まずは、その記事を少し要約して引用します。
 かつてラードやバターは動脈硬化や心疾患の原因と言われた。それに対して植物油に含まれるリノール酸はコレステロールを下げるから善玉と言われた。しかし、最近は植物油が糖尿病や動脈硬化を引き起こす。植物油に含まれるトランス脂肪酸が原因だ。一方、50歳以上でコレステロール値が低すぎるとがんや脳卒中の死亡率が高くなる。だから高齢者は、植物油よりもラードを摂取した方が良い。
 相当なこじ付けの論法にお気づきだろうか。以前書いたセブン&アイの記事を見ればわかります。植物油でトランス脂肪酸を含まない、または少ない商品もあります。つい最近話題となったココナッツオイルがその典型例だと思います。そういうことを無視して、植物油をすべて否定する様な論調となっています。
 また、高齢者が全てコレステロール値が低いという言い方にも相当に無理があります。私は60歳を過ぎましたが、高度成長期に育ちました。私が生まれた頃は栄養失調という言葉も聞きましたが。今の時代に栄養が足りずにコレステロール値が低い老人などいるでしょうか。居ないとは言いませんが、少なくても多数派ではありません。
 正しくは、トランス脂肪酸を含んだ植物油は避けないといけない。しかし、トランス脂肪酸を含まない植物油は、必ず体に良い効果が有る。ラードやバターは、コレステロールが不足している人には益となる場合もある。しかし、必要以上に摂取したら必ず体に害を及ぼす
 情報過多の時代、間違った情報に惑わされ無い様に気を付けましょう。

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