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2018年1月

2018年1月26日 (金)

顔面神経麻痺(6)の最新情報

 前回、東海大学病院で受けたリハビリを説明しました。そして、同様な機器を使ったので、その機器の紹介を予定していました。しかし、少し気になって、最新技術を確認してみると、驚きの事実が見つかりました。
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 私自身、食事をする時に涙が流れてきます。食事を噛む動作で、目の近くの筋肉が動きます。感覚的には、この動きで、涙腺が緩んで涙が出るものだと思っていました。発症当時から、そういう傾向があったので。症状としては、ワニの涙というそうです。ワニは、獲物を食べる時に涙を流す。その光景と同じだからそう呼ぶそうです。
 調べてみると、発症当時はともかく、実際は神経の修復の時に、唾液分泌の指示と涙を流す指示の神経が交差することにより起きているというのです。病的共同運動というのが正式名。私自身も後遺症が残っていたということになります。私の場合、咀嚼に問題はなく、唾液も必要量は出ています。入れ替わって、唾液が足りないといった問題は無さそうです。
 順天堂大学をはじめ、多数の医学系の大学では、低周波治療がその一因と解説しています。しかし、ちょっと表現が微妙なのです。例えば、順天堂大学の説明です。
  • 顔面神経麻痺のリハビリは筋力を強化する目的で行うのではなく、顔面の不自然な動き(病的共同運動)といった後遺症を予防するのが目的。
  • やり過ぎや低周波刺激などの電気刺激はかえって顔面のひきつれを助長する為禁忌。
 一番目は、当然の話なのですが、何か漏れています。放置すると筋肉が膠着する事を防ぐ必要があります。共同運動を防ぐことの前に重要な目的です。
 二つ目は文章が変と思いませんか。「筋肉運動のやり過ぎは反って弊害を生む」と言うのは分かります。しかし、「低周波治療はだめ」が同列で扱われています。何故、「強過ぎる低周波治療は駄目」という言い方ではないのでしょうか。
 私は多数のサイトを見ましたが、電気刺激が駄目な理由を具体的に説明している文章は見付けれませんでした。ただ、電気信号が神経の刺激を誘発する。だから、電気刺激は駄目と決めつけている様にしか見えません。論文が発表されているのかもしれませんが、それを根拠とした記事が見つからないのです。

 いずれにしても、私が受けた治療は、当時は正しいとされ、東海大学病院が勧めた治療でした。そして、電流の強さは控えめとは言われませんでした。だから、確かに強めが良いと思ってリハビリを続けた事は確かです。
 順天堂大学を始め、多くのサイトでは、電気刺激を諦めて、さらに筋肉マッサージも程ほどにと勧めています。そして、その結果、顔面神経麻痺の後遺症として病的共同運動・顔面拘縮はある程度起きるもの。だから、最終的には外科的な治療も覚悟しなさいと説明していました。
 治療の効果は分からないが、緩やかなリハビリに専念しなさいというのは、少し変だと思いませんか。上に書いたように、筋肉が膠着を防ぐ事を目的としない意見を信じるかどうか。自らの判断で考える必要があると思います。
 当然ながら、自己責任ではあるのですが。気持ち良い程度の刺激は、電気刺激でも効果が期待できると思います。残念ながら、東海大学は、その強さの弊害に気付いていなくて、指示できなかったのだと思います。後遺症に繋がったのは遺憾な事なのですが。
 一応、そういった反論もあるのですが、有名な医学系の大学からの駄目だという意見がある以上、機器の紹介は控えた方が良いと考えました。前回の治療法紹介に加えて、そういう機器があるということの紹介にとどめておきます。2回目の記事に載せた写真がその機器の一部です。ご参考ください。(終わり)
 おっとっと、忘れるところでした。大学の記事では、ワニの涙の様な病的共同運動を発症すると、治癒は難しい。外科療法が必要と説明しています。しかし、そもそも、俳優は、意識して涙腺を開けることができます。だから、原因さえ分かれば、訓練で唾液の分泌と涙が流れることを分離できると考えます。多分数年という月日が必要でしょう。でも頑張ってみたいと思います。報告する頃には忘れ去られてしまっているかも(笑)
 さらにもう一つ。私が罹患した後、友人の友人が同じ様に顔面神経麻痺に掛かったと聞きました。直接は合っていないのですが。その方は、後遺症で筋肉の拘縮が残ったといいます。私自身は、ワニの涙となっても、普段の表情が正常な事に満足しています。ダメだという事をするかしないに関わらず、顔が歪んでしまうよりもましだと思います。そういう意味では、ラッキーだったと思います。

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2018年1月20日 (土)

顔面神経麻痺(5)のリハビリ方法

神経の炎症が治まったら、リハビリの開始です。前にも書きましたが、直ぐ回復する程度の軽傷でしたら、リハビリは特に必要ありません。しかし、重症でリハビリを怠ると大変な事になります。リハビリを怠ると、後遺症が残ります。口が歪む。頬の形が変わる。目付きが変わる。それも、顔の左右がアンバランスに歪む。症状が落ち着いてからだと、修復の方法が有りません。美容整形で形を変えるだけ。それでも、顔の筋肉が動いてくれないので、表情の異常さは残ってしまいます。
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 写真は政治家の麻生太郎氏です。麻生氏のこの写真は、顔面神経麻痺が原因という事実は無い様ですが。この写真の様な形で顔面が固定してしまうというのが、後遺症の怖い所です。(麻生さん、すみません、関係が無いことに引っ張り出して・・・でも、他の方々も後遺症という話題で引用されていますので、私も使わせて頂きました。)
 だから、ある程度以上の症状がある方は、必ずリハビリを行う事が重要です。リハビリが始まっても、温かく保つことと、マッサージは変わりません。というか、マッサージは、一つのシッカリとしたリハビリです。この二つは、もう問題が無くなったと確信するまでは続けてください
 私が東海大学病院で受けたリハビリは、簡単に言うと電気治療です。低周波の微弱電流を顔筋肉に流して、筋肉を自らの力で動かす訓練です。マッサージと違って、自らの動きなので、効果が全然違います。しかし、電流を流すことなので、大変気を付ける必要があります。
 顔の中で、特に目と耳は、繊細な神経が走っています。筋肉の刺激は必要ですが、神経に電流を流すと、今度は神経がやられてしまいます。東海大学病院では、何となく簡単な説明のみで始まりましたが、この点は特に気を付ける必要があります。
 具体的には、目の周り1〜2cm程度の範囲、それから耳と耳の下の部分から同様に1〜2cm程度の範囲には、電気を流さない様にする必要があります。その結果、主にとその周り。それから、顎に沿った辺り、およびの辺りが治療の対象です。
 電気治療の器具は、顔に当てる電極とその反対側の電極。それに電気を流す電源からなっています。電流の強さも変えることができます。反対側の電極は、包んだガーゼを水で湿らせて、背中に付けて、バンドで止めます。顔に当てる電極も濡れたガーゼで包んでいます。電気を流し易くするのです。スイッチを入れて、電流は弱めから始めます。患部に電極を押し付けるとピリピリします。そのピリピリの強さを見ながら丁度良い電流に調整します。
 この丁度良いは、結構分かり易い。動いていない筋肉は、なんとなく疲労状態となっています。その筋肉が電流の刺激で動きます。すると、なんとなく筋肉が気持ちよく動く強さがあるのです。この気持ちの良さは、もう一つの目安を与えてくれます。麻痺が進んでいる筋肉は、余計に疲労がたまっている様な感じなので、気持ちの良さが有ります。逆に、麻痺が進んでいない筋肉には、余計な刺激となって気持ちも良くないのです。
 そうやって、頬、唇、顎、額に満遍なく刺激を与えます。1ヶ所に10〜20秒程度、少しずらしながら全体を電気マッサージといった感じです。1回のリハビリで1時間は掛けていたでしょうか。随分前にことなので、よくは覚えていません。
 私の場合は、当時も普通のサラリーマン。病院がやっている平日にリハビリを受けることは無理。だから、土曜日にしか受けることができません。そうこうしている間に、同じ治療ができる電気治療器に遭遇したのです。私は、この治療器のお蔭で、こんな顔になりました。ショップで紹介している少し古い写真です。
 次回、その電気治療器を紹介させて頂きます。

麻生さんの写真について一言
 麻生さんの普段のお顔を拝見する限り、少なくても顔面神経麻痺の後遺症ではありません。酷い後遺症だと、麻生さんの様な綺麗な歪みになりません。筋肉が、意識しない方向にひきつってから固定する。それが後遺症が酷い場合の見掛けとなります。麻生さんは、表情豊かな方だというだけの話なのです。風評には気を付けましょう。

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2018年1月11日 (木)

顔面神経麻痺(4)の治療開始

 発症した段階の状況は前回の記事に書いた通りですが、次の2点です。一つ目は、神経そのものが損傷を受けている。もう一つが、左右どちらかの顔の筋肉が動かないこと。
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 神経そのものの損傷については、ステロイド投与により炎症を抑えた後は、することはありません。ただ、筋肉の治療にも繋がるのですが、冷やさない事、できれば温める事が大事です。体の損傷が治癒するのに、血液から栄養を充分に補給する必要があります。冷やすと、その血流が細くなり、充分に栄養が行き届かなくなります。治療促進の為に、患部を温めることは重要なのです。その他、筋肉の治療による刺激で、代替神経の活性化は促進されるのですが、これは、神経の炎症が収まってからが良いでしょう。

 顔の筋肉が動かないことに関しては、いろいろいな観点からの治療が必要です。まずは、何度も書いていますが、目の角膜の保護です。瞼の開閉に支障を来しているので、開いたままとしない様に眼帯などで覆ってあげます。必要に応じて、目薬の点眼も有効でしょう。なるべく刺激が弱い目薬を使ってください。特に、寝る時には厳重にする必要があります。

 次は、筋肉をほぐす事。筋肉は動くことにより血流が生まれて正常を保ちます。動かなくなった筋肉は、内部の血液の流れが少なくなりますので、酸欠状態となります。栄養素も不足してきます。長い事放置すると筋肉の委縮につながっていきます。だから、揉み解して、血流を作ってあげます。
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 さらに冷やさない事。出来れば、温めてあげる事。前項の血流の効果もあります。また、筋肉が動かないことにより、自己発熱が無い状態です。放置すると皮膚に近い部分から低体温状態となる可能性があります。また、損傷を受けた筋肉の自然治癒効果も高めます。
 これらを続けることにより、損傷を受けた神経が回復できる部分は回復してきます。回復できない部分は、代替神経が機能し始めるまで時間が掛かります。人によって違いますが、数週間から1ヶ月程度は、筋肉が動かない状態が続くので、これらの処置は続ける必要があります。場合によっては、もっと掛かるかもしれません。
 勿論、損傷が軽微で殆ど影響が無い場合は、ここに書いた様な処置は必要ありません。軽微で数日で回復する場合もあるかもしれません。
 神経の炎症が落ち着いた頃、多分1週間程度経った頃から、リハビリに入ります。次回につづく。

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